植物染めに挑戦
目次

染色用具


基本工程



染色用具

鍋orボウル(大・中・小)

ステンレスorホーローを使用しましょう。(アルミ・鉄鍋は駄目です。)
鍋・ボウルのどちらでもかまいません。
大きさは染めたいものがゆったりと浸る大きさ。
一度、染色に使ったものは調理用で使わないで下さい。

はかり

染料・媒染剤の計量に使用します。

布(目の細かい物)

染料をこす時に使用します。
だしパック袋(少量)or排水溝用ゴミ袋の目が細かい物(多量)でも可。
(最初から染料を入れて使う。)

トング(箸でもOK)

鍋から糸を出す時に使用します。トングはステンレスを選びましょう。

染めるもの

ここではヘンプ(ワックスのかかっていないものを使用してください。)
*当店のハードはワックスがかかっています。

たこ糸

糸をかせ状にする時に止め糸として、使用します。(余ったHempでも可)

染料

タンニンを含むもの含まない物で、処理が変わります。
基本的に乾燥した物は糸と同量、生は倍以上必要です。(当店では乾燥した物を使用しています。)

媒染剤

当店では天然明礬を使用しています。
ミョウバンはスーパー等で手に入ります。(当店でも販売しております。)

牛乳・豆乳・豆汁
当店は大豆粉を使用しています。

植物繊維(綿・麻)はタンパク質がないため、金属イオンがつきにくく、染まりにくいので、染まりやすくするために使用します。(下地つけ=濃染処理)
豆汁は昔から使われていましたが、作るのが面倒な人は牛乳・豆乳を使用してください。(使い方は説明の方に・・・)
匂いが気になる方は豆乳・豆汁の方がいいと思います。タンニンを含んでいる染料を使用する場合は必要ありません。

酢酸

藍染めなどに使用します。アルカリ性を中性・弱酸性にします。
(リンスと言われる工程に使います。)
お酢を使用する時は酢酸の25~30倍を使用してください。

洗濯機(脱水)

脱水機能を使用します。約30秒以内で、量によって調節してください。
量が多いと大変ですが、手で固く絞るのがHEMPには一番いいです。
(当店は手絞りです。)



染め方の基本工程

1.かせを作る。(カセ加工承ります。)

糸をループ状に巻き取ります。(刺繍糸のように)

4箇所をたこ糸で、それぞれ二つに分け8の字に結びます。(絡みを減らすため)


2.精錬

染まりをよくする・染めムラをなくすためため、不純物(油やゴミ・糊など)を洗い流す作業です。
精錬方法は繊維によって違います。

絹・毛・綿・麻共通
(綿・麻は工程が続く。)

少し熱めのお湯(50~60℃)を用意し、1Lに対し、2~5%の割合で中性洗剤をいれ、時々動かしながら30分ぐらい浸すその後、水洗いして脱水を繰り返し、十分にすすいで干します。

綿・麻の続き

上記の工程後、可染処理剤(苛性ソーダ・ディスポン液等)を使用して精錬します。精錬作業は難しいとされていますので、精練済みのものを使用することをおすすめします。
当店のホワイトは精錬済みのものです。
(上記の工程をされますとさらに色がつきやすくなります。)


3.濃染処理(下地づけ)(大豆粉での加工承ります。)
 

牛乳を使用する場合。

繊維が浸るまで牛乳をいれ、何度か動かしながら約20分浸し脱水して干します。
*水洗いはタンパク質を落としてしまうので、決してしないで下さい。

豆乳を使用する場合。

成分無調製の豆乳と水を1対1の割合で、繊維が浸るまで入れ、何度か動かしながら約20分浸し脱水して干します。
*水洗いはタンパク質を落としてしまうので、決してしないで下さい。

豆汁を使用する場合。

大豆2分の1カップをカップ1杯の水に浸して一晩ふやかし、ふやかした大豆とその水をミキサーにいれて砕き、2リットルの水を加えてまぜ、目の細かい布でこします。豆汁を繊維が浸るまで入れ、何度か動かしながら約20分間浸し脱水して干します。
*水洗いはタンパク質を落としてしまうので、決してしないで下さい。

大豆粉を使用する場合
*当店で取り扱っております。

水1Lに対し、10~30gを溶かし、1時間以上つけた後、布でこします。繊維が浸るまで入れ、大豆粉が沈殿するので、時々動かします。20分間(絡まない程度に)
脱水して干します。(当店では手絞りです。Hempは脱水機に耐えられないようです。毛羽立ちます。)

*水洗いはタンパク質を落としてしまうので、決してしないで下さい。


4.抽出(染液をつくる)

染料の量

基本は糸の重さと同量、染料によって変わります。(生は倍の量が必要。)
染料を細かくします。
(生は刻む。乾燥した物はすり鉢か、硬い物は叩いて砕く。)
染料をだしパック袋(少量)or排水溝用ゴミ袋の目が細かい物(多量)に入れておくと、漉す手間が省けて楽です。(口はしっかり閉じましょう。)

煮出す
(糸がゆったり浸る量を作る。)

a. 鍋orボウルに染料を入れて、ゆったり浸るように水を入れ、沸騰させ弱火で15~20分間煮出します。
b. 煮出した染液は大きい鍋に布で漉しながらうつします。(だしパック等を使っていると漉す作業が必要ありません。)
c. 漉して残った染料(だしパック等)を最初の鍋にうつして、新しい水をいれて、a・cの工程を2~3回行います。一度に染液を作るよりも何度かに分けて抽出することにより、濃い液が取れます。


5.下染め(1回目の染色)

準備

染める糸を水に浸し軽く水切りをします。(濃染処理を終えて乾燥した糸)

染める

糸がゆったり浸る量の抽出液(染液)を用意し糸を入れます。
沸騰したら弱火にし、15分間染めます。その間、箸等で糸を動かし続けます。
(激しくすると絡むので注意してください。)
染液に浸したまま、液が冷えるのを待ちます。

水洗い

染めた糸を染液を絞りつつ取り出して、水洗いをして絞ります。
(染液は後で使用するので、取って置いてください。)
余分な色を洗い流す事により、染めムラを少なくします。


6.媒染

繊維が染まりやすくなり、色素の発色・定着をさせるため、金属イオンを結合させます。
媒染剤の違いによって、同じ染料から違う色を出す事ができます。
当店ではアルミ媒染(ミョウバン)を使用しているので、こちらを使用した説明になります。

アルミ媒染の量

=糸(g)×0.06(6%)
例 100g×0.06=6g ←アルミ媒染

媒染液の作り方

糸が浸るぐらいの水を火にかけ、沸騰させます。(糸はまだ入れません。)
アルミ媒染を入れて、溶けたら火を弱火にし、下染めした糸を入れます。約20分火にかけます。
当店の天然明礬は塊のまま入れてください。

水洗い

糸を取り出して、水洗いをして絞ります。*熱いので気をつけてください。
(媒染液を使う場合もあるので、とっておく。)


7.本染め(2回目の染色)

染める

下染め(1回目)に使用し、とっておいた染液を使用します。
糸をいれ、沸騰したら弱火にし、15分間染めます。その間、箸等で糸を動かし続けます。(激しくすると絡むので注意してください。)
染液に浸したまま、液が冷えるのを待ちます。

水洗い

流水の中で振り洗いをし、綺麗な水になるまで行います。脱水を約30秒してください。(Hempは手絞りをお勧めします。)


*糸の色が薄い場合は6.媒染→7.本染めを繰り返してください。
当店では本染めを最低でも2回、行っています。

形を整えて、日蔭干しにします。(しっかりと乾かしましょう。)
完成です。